ミシガンでのトップロープ、そしてサンノゼ(Movement Sunnyvale)でのリードクライミング講習を経て、少しずつクライミングの世界を広げてきたわが家。トップロープを使ったクライミングで2回ほど外岩を経験していましたが、今回は「ボルダリング(ボルダー)での初めての外岩」に挑戦してきました!
きっかけは、普段通っているジム「Movement」で出会い、仲良くさせていただいているクライマー仲間たちからのお誘い。行き先は、カリフォルニア州バークレーにある「Indian Rock Park(インディアン・ロック・パーク)」と、すぐ隣にある「Mortar Rock Park(モルタル・ロック・パーク)」です。
Hiro: ヒロ初めての外岩ボルダー。Mokaもとても楽しみにしていたよ



ジムとはもちろん、トップロープとはまた違った緊張感があるね



確かにね。でも、外岩特有の魅力もあるんだよね
今回訪れたのは、カリフォルニア州バークレーの閑静な住宅街の中に突如として巨大な火山岩(流紋岩)が現れる、非常にユニークな場所です。紹介する2箇所はすぐ近くで、歩いて移動できます。
Indian Rock Park(インディアン・ロック・パーク)
公園全体が大きな岩のようになっており、階段で岩の上に登ることができます。岩のてっぺんからは、サンフランシスコ湾、ゴールデンゲートブリッジ、そしてオークランドの街並みが見渡せる、絶景スポットです。地元の人たちの憩いの場でもあり、雰囲気もいい感じで、観光がてら岩の上で夕日を眺めている人もたくさんいます。
Mortar Rock Park(モルタル・ロック・パーク)
Indian Rockから歩いてわずか3〜4分の場所にある、もう一つの小さな公園です。こちらはIndian Rockに比べて、前傾壁(かぶった壁)が多く、よりパワフルでテクニカルな課題が密集していることで知られています。
どちらも、駐車場はないため、路駐する必要があります。狭いので、朝早く行くか、相乗りで行く方がスムーズかもしれません。
「ロープがない」という恐怖
トップロープでの外岩には慣れてきたつもりでした。


しかし、「外岩のボルダー」はまた違う面白さと、怖さがあります。ロープと比べて大きな違いは、「落ちるのがめちゃくちゃ怖い」ということ。



トップロープなら、たとえ地上15メートルで手を離しても、ロープにぶら下がるだけ。でも、ボルダーは高さ3メートルでも、手を離せば「地面に落ちる」んだよな…



足元にはクラッシュパッドが敷いてあるとはいえ、上から見下ろすと、この四角いマットの上にピンポイントで落ちられる?って不安がある


そこで大事になるのが、仲間たちの「スポット(Spot)」です。外岩ボルダーでは、登り手が落ちてきたときに、頭や背中から地面に叩きつけられないよう、周囲のメンバーが手で軌道をコントロールしてマットの上に安全に着地させる「スポット」が不可欠です。
今回は、Movementで出会った頼もしい常連メンバーたちが、私たちが登る際に四方から手を差し伸べ、マットをずらしながら万全の体制でサポートしてくれました。この仲間の存在がなければ、Mokaも、私たちも、最初の一歩を踏み出すことすらできなかったと思います。
ジムとは大違いの「リアルな岩」に大苦戦
ジムに慣れると「V3ならFlashで完登できるな」くらいの感覚になっていた私たち。しかし、本物の岩はそんなに甘くありませんでした。
- ホールドがわからない:ジムのように「ホールドが出っ張っている」といった構成ではありません。岩のシワや、結晶のざらつき、わずかな窪みを探し出し、「ここ、持てるのか……?」と探りながら登ります。
- 指が痛い、滑る:今回登った流紋岩は非常に細かくざらざらしており、フリクション(摩擦)は良いものの、数回トライするだけで指が痛くなります。
- 足が信じられない:ジムの大きなフットホールドと違い、岩の傾斜に「足をただ置くだけ」の場所が多く、シューズを信じて立ち上がる必要があります。
結果として、V3の課題では、スタートすらまともにできない状態に我が家は全員が大苦戦!でも、Movementで知り合った仲間が、「あーでもない、こーでもない」と足の位置や持ち方を教えてくれました。
Mokaが初めてトライしたのがIndian Rock ParkのThe Ape(V2+)という課題。
Mortar RockのThe Rampでも撃沈
その後、家族全員でMortar RockのThe Rampという課題に挑みました。Mokaはあと一手というところまで行きましたが、HiroもMatthewも全く登れませんでした。


外岩ボルダーの魅力:消えない課題の「やりこみ要素」
大苦戦した初の外岩ボルダーでしたが、ジムにはない決定的な「楽しさ」と「やりこみ要素」に気づかされました。ジムの課題はホールドが付け替えられ、消えてしまいます。しかし、外岩の課題は、何十年も、あるいは私たちが歳を重ねても、ずーっとそこにあり続けます。
今回登れなかったV3、V4の課題も、私たちがジムで練習を重ねて数ヶ月後、あるいは来年に戻ってくれば、(基本的に)同じ姿で待っていてくれます。「課題が変わらないからこそやり込める」 このゲーム性は、外岩ボルダリング最大の魅力だと感じました。
必須装備クラッシュパッドの購入
この日のために、わが家はついにクラッシュパッドを購入しました。



外岩ボルダーに行くなら、絶対に欠かせないのがクラッシュパッド(着地用マット)。いろいろ調べて、厚みと着地面積のバランスが良いものを奮発したよ
購入したのはMatolius(マトリウス) のクラッシュパッド。背負いやすいのと、パッドの厚みを考えて購入しました。


広げると1畳より長辺が少し短い感じですが、クラッシュパッドとしては広めの範囲をカバーできていると思います。


パッドには十分な厚みがあります。





コンパクトカーでギリギリ積み込めるサイズ感。でも、これがあるからこそ、40代の私たちの足腰を落下の衝撃から守れるわけです(笑)



安全装備なので、長く続けるためにはケチれないなと、思い切って購入しました。結果大正解。外岩のボルダーで大活躍中です。
初めての外岩ボルダリングを終えて
最後は、夕暮れ時のIndian Rockのてっぺんにみんなで登り、オレンジ色に染まるサンフランシスコの絶景を眺めました。今回、快く誘ってくれて、安全管理から登り方のコツまで丁寧にリードしてくれたMovementの仲間たちには、感謝の言葉しかありません。怪我をしないよう無理せず、これからも登り続けていきたいと思います。
- 最初の外岩は経験者と一緒に行く:安全なマットの敷き方や、重大な怪我を防ぐための「スポット」の技術は、文章だけでは学べません。信頼できる経験者に同行してもらいましょう。
- クラッシュパッドはケチらない:40代の関節や腰にとって、落下の衝撃は天敵です。十分な厚みとクッション性のあるパッドを選び、複数枚ある状態でトライするのが理想です。必要に応じてヘルメットを着用しましょう。
- 安全への心得:外岩ボルダリングは完全に自己責任の世界です。天候や岩のコンディション(濡れている岩は壊れやすく、滑りやすい)、周囲の安全に細心の注意を払いましょう。ゴミの持ち帰りやチョーク跡のブラッシングなど、ローカルルールとマナーを守って楽しむことが、この美しい岩場を未来へ残すことにつながります。
まとめ
今回、初めて外岩ボルダリングに挑戦してみました。40代という年齢や、運動経験の少なさから「外岩なんて自分たちには早いのでは……」と最初は少し気後れしていました。しかし、一歩踏み出してみれば、そこには言葉にできない絶景と新たな挑戦が待っていました。
ジムでV2やV3を登れていても、外岩ではスタートすら苦戦する。だからこそ「リアルな岩を登る技術」を一から学ぶ楽しさがあります。さらに、ルートセットで消えてしまうジムの壁とは違い、何年経っても同じ岩が同じ課題で待っていてくれるという、「やりこみ要素」があります。



