ボルダリングだけでも、クライミングは十分楽しい。自分たちも最初はボルダリングから入り、しばらくはそれだけで満足していました。でも、ミシガンのPlanet Rockでトップロープを始めてみると、同じ「登る」でも怖さの種類がまったく違うことに気づきました。
Hiro: ヒロトップロープの方が当然、高さがあるからボルダーより怖いと思ってたんだけどね



最初は、ロープに体を預けるのも怖かったよね



そう。でも落ちる怖さでいうと、今はトップロープよりもボルダーの方が怖いな。



リードクライミングにはソフトキャッチという方法があって、私たちは慣れてないからまだ怖いけど、トップロープであれば、確かにボルダーより怖くないかも。
この記事では、ボルダリングからクライミングを始めた自分たちが、ロープクライミングをやってみて感じた怖さの違いと、ロープを始めてよかったことを記録しておきます。
ボルダリングは低い。でも落ちる怖さが直接くる
ボルダリングは、ロープクライミングに比べると壁は低いです。ただ、低いといっても、上の方まで登ると普通に高いです。ジムによって違いますが、ボルダー壁は4〜5mくらいあることもあります。
そしてボルダリングは、落ちるときはマットに落ちます。
ジムでも、怪我をしない落ち方や降り方の注意があります。それでも、疲れているときや、変な姿勢で足が切れそうなときは怖いです。自分の場合、落ちる動作そのものに慣れていませんでした。
若いころから運動してきた人なら、もっと自然に落ちられるのかもしれません。しかし、41歳でボルダリングを始め、背中から落ちたときは、しばらく肩も首も痛かったです。登っている最中に、「この一手を出して失敗したら、どう落ちるんだろう」と考えた瞬間、体が固まることがありました。
低いけれど、落ちる瞬間は自分に返ってくる。着地を間違えると、結構痛い思いをします。そこが、自分にはかなり怖かったです。
ロープクライミングは高い。でも落ち方が違う
一方で、ロープクライミングは壁が高いです。最初にトップロープで登ったときは、単純に高さが怖かったです。
ボルダリングよりずっと上まで登るので、途中で下を見ると、かなり高く感じます。
でも、トップロープにはロープがあります。ビレイヤーがいて、ロープで支えてくれる。ここは、ボルダリングとかなり違いました。ボルダリングは、落ちたらマットまで落ちます。トップロープは、基本的にロープで支えられます。
もちろん、ロープクライミングにも怖さはあります。最初は、ロープに体重を預けるのが怖い。登り終わったあとに、壁から体を離して降ろしてもらうのも怖い。



最初、“Lower”って言ったあとに体を離すのが怖かった



あれは怖い。頭では分かっていても、体が信じてない感じ


ただ、何度かやっているうちに、少しずつ分かってきました。ロープクライミングの怖さは、ボルダリングのような「落ちて着地する怖さ」とは違います。どちらかというと、ロープ、道具、ビレイヤーを信じる怖さです。
自分だけで完結しない。そこが怖くもあり、面白いところでもありました。
ボルダーだけでは味わえなかった「長く登る」楽しさ
ロープクライミングを始めてよかったことの一つは、登っている時間が長くなったことです。
ボルダリングは、短い課題を集中して登る感じです。数手で勝負が決まることも多いし、できない一手を何度も試す面白さがあります。一方で、ロープクライミングはもっと長く登ります。
途中で呼吸を整える。
足の置き方を考える。
次のホールドを探す。
少し休んで、また登る。
一手の強さだけではなく、ペース配分や休み方も大事になります。ボルダリングで一瞬で力を使い切る感じとは、少し違います。自分のように、すぐ前腕が終わるタイプには、ロープの方が合う日もありました。無理に強い一手を出すより、ゆっくり登って、途中で考えながら進める。そういう楽しさがあります。
ボルダーだけをやっていたときは、クライミングは「できるか、できないか」がはっきり出るものだと思っていました。でもロープを始めると、もう少し長い時間の中で登る感じになります。
一手だけではなく、全体をどう登るか。途中でどう休むか。怖くなったときに、どう落ち着くか。同じ「登る」でも、使う頭と身体が少し違いました。
ペアで登ると、クライミングの感じが変わる
もう一つ大きかったのは、ロープクライミングがペアで成り立つことです。
登る人がいる。
ビレイする人がいる。
声をかける。
相手の様子を見る。
登り終わったら降ろす。
このやり取りがあるので、ボルダリングよりも「一緒に登っている」感じが強くなりました。


ボルダリングでも、もちろん家族や友達と一緒に楽しめます。課題を見たり、応援したり、動画を撮ったりするのも楽しいです。でもロープは、もう少し直接的に相手の登りに関わります。
ただ同じジムにいるだけではなく、相手の登りを支える。この感じは、ロープクライミングを始めてから分かりました。ただ、その分、ビレイする側には緊張感があります。自分が登るより、人を支える方が緊張することもありました。自分の操作が、相手の安全に関わる。その感覚は、ボルダリングにはあまりなかったものです。
外岩への世界も少し近くなった
ロープを始めると、外岩の見え方も少し変わりました。Grand Ledgeに行ったときも、Rattlesnake Pointに行ったときも、ジムとは違う緊張感がありました。
岩の高さ。足場。ロープ。周りの人。天気。アプローチ。全部がジムとは違います。でも、ジムでトップロープを始めていなかったら、外岩ロープはもっと遠い世界に見えていたと思います。
ボルダリングだけでも十分楽しいです。でも、ロープを始めたことで、クライミングの世界が少し広がりました。


「高い壁を登る」だけではなく、「人と組んで登る」「外の岩を登る」「登る前の準備も含めて楽しむ」という方向に広がっていった感じです。ボルダーの延長というより、別のクライミングが増えた感覚に近いです。
自分には、ボルダリングの方が怖かった
では、ボルダリングとトップロープ、どちらが怖いのか。自分の場合は、ボルダリングの方が怖かったです。理由は、落ちる瞬間が直接自分に返ってくるからです。
高さだけで比べれば、トップロープの方が高い。でも、トップロープではロープとビレイヤーが支えてくれます。ボルダリングは低いけれど、落ちるときは自分の身体で受ける。そこが怖い。
もちろん、ロープに体を預ける方が怖い人もいるはずです。ビレイする責任感が苦手な人もいると思います。高いところが苦手なら、ロープの方が怖いかもしれません。
ボルダリングには、ボルダリングの怖さがあるし、トップロープには、トップロープの怖さがある。両方やってみると、その違いが分かります。
ボルダーだけだった人にも、ロープは一度試してみてほしい
最初にクライミングを始めるなら、ボルダリングは入りやすいと思います。シューズとチョークがあれば始められる。
一人でも登れる。自分のペースで課題に向き合える。
だから、ボルダーだけで十分楽しいという人がいるのも分かります。でも、もし少しでもロープクライミングに興味があるなら、一度講習を受けて体験してみるのはありだと思います。ロープを始めると、登れる壁の高さが変わります。
登っている時間が長くなります。家族や友達との関わり方も変わります。外岩への距離も少し近くなります。
怖さはありますが、その怖さの種類が違うから面白い。ボルダリングが怖くなくなるわけではありません。ロープクライミングが完全に安心というわけでもありません。それでも、自分たちはロープを始めたことで、クライミングの楽しみ方が少し広がりました。


