体重差のあるクライミングペア必見:EdelridのOHM(オーム)を正しく動作させるコツ

夫婦でリードクライミングを始めて、最も怖かったのがフォール(落下)。トップロープのフォールは、落下距離が大きくないので問題なかったのですが、リードのフォールは元々落下距離が大きいうえに、衝撃を逃がすための『ソフトキャッチ』を行うとさらに距離が伸びてしまうため、恐怖を感じていました。

Hiro: ヒロ

トップロープの時もそうだったけど、怖さを克服するためには練習あるのみ、と思って練習したんだよね

Matthew: マシュ

体重差があるから、Hiroは落下距離がすごく大きくなるので、ちょっと危ないと思った

Hiro: ヒロ

クライマーがビレイヤーより重いと、落下距離が大きくなるよね

それを解消するのが、Edelrid(エーデルリッド)のOHM(オーム)という補助デバイスです。今回、OHMを使ってみて、OHMがちゃんと動作するパターンと、動作しないパターンがありました。色々試行錯誤した結果、OHMを正しく動作させるためのコツがありましたので、共有したいと思います。この記事が、体重差のあるペアで、ビレイヤーが軽いことによる危険を減らす手助けになれば幸いです。

免責事項:当ブログで紹介しているクライミングに関する情報は、筆者の体験や調査に基づくものです。クライミングは落下や負傷、致命的な事故に至る固有の危険を伴うスポーツです。当ブログの情報を参考にして行われた行為により生じた事故、怪我、トラブル等の損害について、当ブログおよび筆者は一切の責任を負いかねます。必ず最新の公式情報を確認し、ご自身の技術・知識・体調に合わせて自己責任のもとで行ってください。

目次

OHMとは?

クライマーの体重が重く、ビレイヤーの体重が軽い場合、墜落が発生した際、体重の軽いビレイヤーはクライマーに引っ張られて浮き上がり、壁に叩きつけられる可能性があります。さらに、ビレイヤーが高く引き上げられると、クライマーの墜落距離が伸びてしまいます。クライマーがまだ地面に近い位置にいる場合、ビレイヤーとクライマーが衝突する恐れがあります。最悪の場合、クライマーが地面に激突することもあり得ます。

特に、落下距離が大きくなるリードクライミングでは、トップロープクライミングに比べて、ビレイヤーが浮き上がってしまうことが多く、注意が必要です。

講習の際に、講師の方から、体重差を吸収するデバイス、Edelrid(エーデルリッド)のOHM(オーム)を勧められました。25kgの体重差を吸収してくれるブレーキ補助効果があるとのこと。

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というわけで、私たちの場合は必須の装備なので、リードの認定をもらった直後に購入しました。

Matthew: マシュ

Hiroに痩せるっていう選択肢は無かったのか…

Hiro: ヒロ

クライミング後のビールはやめられないよね…

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OHMの使い方

今回購入したのは、バージョンアップしたOHM2(オーム2)。リード講習の時に、初代OHMも試してみましたが、OHM2の方が一回り小さく、スイベル(回転する機構)がついており、ロープのねじれが軽減されて安全性が向上しているそうです。

外観はこんな感じ。イエローとブルーがあるんだけど、みんな使っていないブルーをチョイス。カラビナは付いていないので、Petzl製のSPIRITというカラビナを組み合わせました。

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クライマーとビレイヤーのグリグリとの間に設置します。ロープが引っ張られると、次の写真のV字の溝の部分に、ロープが溝に食い込み、抵抗を生じさせて、ブレーキ補助効果を発揮することができます。

ビレイヤーとクライマーのマークがあるので、方向を間違えないように注意します。本体にクライマー側と、ビレイヤー側のマークが刻まれているので、きっちり確認しましょう。

これを、最初のアンカーにクリップします。一般的なジムだと、全てのアンカーにクリップがついていると思いますが、最初のアンカーに直接クリップしましょう。自宅にある練習用のアンカーで再現するとこんな感じ。

最初のアンカーボルトまでは、ハーネスのラックに取り付けつつ登ります。

あれ?OHMが効いていない?

一通り使い方を学んだうえで、早速、OHMを使って、実際にジムでフォールの練習をしてみました。その時の動画がこちら。

Hiro: ヒロ

あれ、何かしらんけど、めっちゃ落ちる。

練習の条件

5ピン目までクリップし、次の6ピン目(未クリップ)が私のハーネスループの高さまで来たら、落ちる、という練習をしました。

若干オーバーハングしている壁なので、ビレイヤーは、クライマーが3ピン目をクリップしたことを確認した後、落下の際に壁に叩きつけられるのを避けるため、1ピン目付近でビレイを行っています。

クライマーは怖さを克服するため、ビレイヤーはソフトキャッチの練習のため、という目的でしたが、落下距離が長すぎです。そもそも、ビレイヤーが持ち上げられすぎで、クライマーより上に浮いてしまっています。5ピン目までクリップしているにも関わらず、地面まで2メートルを切っています。ということは、4ピン目のクリップで同じ条件で落ちたらグランドフォール(地面に落ちる)しそうです。

練習の最中、偶然隣のルートを登っていたインストラクターとその友人が声をかけてきてくれました。「ナイスキャッチ」と言ってくれてはいるものの、結構な距離を落ちるのを見て、OHMが効いていないように見えると言われました。

そこで、OHMが正しくセットされていることや、ロープの向きとロープの太さ、スラック(ロープのたるみ)の管理方法を確認してもらいましたが、最後は、「特段問題はないように見える。体重差が大きすぎだよ、筋肉付け過ぎなんじゃないか?」なんて冗談を言ってくれました。結局わからないようでしたが、同じようにOHMが動作したり、しなかったりするパターンを経験したことがあるとのこと。

練習中にMatthewがあることに気がつく

Matthew: マシュ

OHMの真下にいると、効かないんじゃない?

別のルートを練習している時にMatthewが気がついたのが、OHMの真下にいると、抵抗を生んでくれない可能性でした。OHMは、ビレイヤーが落下すると、上に引っ張られて、抵抗を生じさせます。

https://avs.edelrid.com/images/attribut/54738_GAL_OHM_II_ANSICHT.pdf より

OHMが上を向いた際に、クライマーへ続くロープと、ビレイヤーへ続くロープが一直線になってしまうと、抵抗が生じないのでは?という事に気が付きました。実は、これはユーザーマニュアルに次のように記載されていました。

https://avs.edelrid.com/images/attribut/54738_GAL_OHM_II_ANSICHT.pdf より

OHMが作動した時に、ロープが一直線になってしまうと、摩擦が生じさせられず、効果を発揮できないのです。なので、マニュアルにある通り、最初のピンから、1メートルの範囲内に入らないようにすることで、ロープが一直線になることを避けることができます。マニュアルにも書いてあるので、実際にやってみることにしました。

OHMを正しく動作させるには、ビレイヤーの立ち位置も重要

条件は、前回かなり危なかったので、今回は6個目までクリップして、そこから故意にフォールするという実験をしてみました。講習では、壁にできる限り近づいて、ビレイヤーの壁への衝突を避けるように言われていましたが、今回は、ビレイヤーは、最初のクリップの真下の1メートル以内には入らないように注意してビレイしています。

6個目のクリップを過ぎ、自分のつま先が6個目のクリップまで来たところで落ちて見ました。落ちた距離は、クリップ3つ分。前回のフォールと比べて、Matthewが上に引っ張られていないことがわかります。結果、ビレイヤーにぶつかったりすることもなく、ちゃんと衝撃を吸収しつつキャッチできています。

ビレイヤーの立ち位置に注目すると、こんな感じです。

Hiro: ヒロ

全然怖くない!安心して(?)フォールできる

Matthew: マシュ

マニュアルにはちゃんと記載されていたけど、ちゃんと注意できてなかったな。アドバイスをしてくれたインストラクターの友達も知らなかったみたい。

OHMは頼れるツールだが、ちゃんと特性を理解して使おう

私たちのように、クライマーとビレイヤーで体重差があると、軽いビレイヤーは、クライマーがフォールした際に浮き上がり、壁に衝突してしまうリスクがあります。また、クライマーは、ビレイヤーが浮き上がることで、落下距離が伸びる可能性があります。そんな悩みを解決してくれるのが、Edelrid(エーデルリッド)のOHM(オーム)です。

今回は、OHMのブレーキ補助効果について、ビレイヤーの立ち位置でその効果が変わることを理解することができました。ビレイヤーが最初のピンの真下にいると、OHMのブレーキ補助効果が発揮されず、体重の軽いビレイヤーが上に引っ張られて、大きく浮き上がった結果、クライマーの落下距離も大きくなってしまうことがわかりました。

OHMを取り付けた真下にいるべきではないということは、取扱説明書にきちんと記載されていたものの、私たちは見落としてしまっていました。正しく動作と使用方法を理解してから使うことで、Edelrid(エーデルリッド)のOHM(オーム)は、体重差のあるパートナーとクライミングにおいて心強いデバイスになると思います。

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まとめの動画

同様の内容を動画で解説してみました。

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