クライミングシューズのつま先ラバーが削れてきたとき、わが家では黒い合成ゴム系接着剤を使って、自分で補修していました。新品のようには戻らなくても、練習用としてはもう少し使えます。実際、娘のMokaも私が補修したシューズでスクールに通っていました。
ただ、補修には限界もあります。クライミングラバー本来のグリップが戻るわけでもありません。
Hiro: ヒロ補修でも練習用には使えるんだけどね



娘のMokaも、最近はシビアなつま先の使い方をするようになったし、気に入っているシューズをちゃんと直したくなるよね。



そろそろ、DIYの補修だと限界かな。足に馴染んだ靴だから、リソールに出してみよう。
今回は、クライミングシューズをリソールに出してみた話です。この記事では、サンノゼにあるV12 Resoleに、初めてクライミングシューズをリソールに出してみた体験を書きます。
自分で補修するのと、リソールは役割が違う
自分で補修するのは、わが家では練習用としてもう少し使うための方法でした。つま先のラバーが削れて、内側の布が見えてきた。でも、シューズ全体としてはまだ履ける。すぐ買い替えるには少し迷う。実は、ミシガンで登っていたときは、自分の補修で乗り切っていました。


しかし、丸くなったつま先は、そのままです。グリップが新品のように戻るわけでもありません。小さいホールドに乗る感覚も、安心感も、やはり新品とは違います。
V12 Resoleに持ち込みで出してみた
そこで、今回初めて、クライミングシューズをリソールに出してみることにしました。リソールに出したのは、サンタクララにあるV12 Resoleです。サンノゼ中心街から車で15分くらいの場所にあります。


リソールの出し方と受け取り方法
ホームページによると、下記どちらかの方法でリソールに出せるとのこと。
Shipping Orders:オンラインで注文して、靴をサンタクララの住所へ発送。修理完了後、SMSやメールで通知が来て、指定した住所に返送されます。
Dropoff/Pickup Orders:近くのジムなどのドロップオフ場所を探し、現地のQRコードから注文して、靴をDrop-Off Boxに入れる方法です。修理完了後、SMSやメールで通知が来て、元のドロップオフ場所に戻されます。
私が依頼したのは、サンタクララオフィスのDrop-Off Boxに入れる方法です。郵送でリソールしてくれるショップはアメリカにもいくつかあるのですが、オフィスに直接持ち込めるショップが良かったので、持ち込みでリソールをお願いすることにしました。
修理内容の違い
修理内容は2種類あって、まぁ我が家の場合は基本的にHalf Sole and Rand Repairが必要になるまで使います(笑)。
Half Sole Repair
ソール部分、つまり足裏のラバーを貼り替える修理です。
つま先のラバーやソールが丸くなってきた、グリップが落ちてきた、という場合は基本的にこちらのイメージです。
Half Sole and Rand Repair
Half Soleに加えて、ランド部分も直す修理です。
ランドは、つま先周り・側面を覆っているゴム部分のことです。つま先の先端や横のゴムまで削れている、穴が空きかけている、内側の布が見えている、という場合はこちら寄りです。


リソールに出してみる
今回出すシューズはMatthewが使っているTENAYAのARAI ST-U。


何度か私が補修しているものの、左足のつま先に穴が空いてしまい、下地が見えてきたので、ジムの帰りにV12 Resoleの事務所に立ち寄り、リペアに出すことにしました。


事務所の外観はこんな感じ。中に入ると、ドロップオフ用のボックスがあるので、スマホでQRコードを読み取り、必要事項を入力して電子決済で支払いすると、確認のメールが届き、プリンタから受付票が印刷されるので、タグ付けしてドロップオフボックスに入れれば完了です。


途中、修理内容を選択する必要がありますが、V12 Resoleのページでは、どの修理が必要か分からない場合でも、単一価格で、職人側が必要に応じて修理内容や価格を調整する、と説明されています。なのであまり深く考える必要はないのかもしれません。わが家の場合は、つま先まわりまで傷んでいることが多いので、基本的にHalf Sole and Rand Repairを選んでいます。
ラバーについては、MadrockのSoft、Medium、Stiffと、UnparallelのSoft、Vibram Gripなどから選べましたが、私はMadrockのミディアムを選択しました。ラバーの違いは、ざっくり言えば柔らかさです。Softは足裏感覚やスメアリングにはよさそうですが、減りは早そう。Stiffは小さいホールドに立ちやすそうですが、少し硬そう。Mediumはその中間というイメージです。
私が行ったときは、基本的には自分で判断して注文する感じでしたが、妻がMokaのシューズをリソールに出す際には、偶然お店の人がいて、いろいろ相談できたようです。
料金は65ドルでした。3〜4日くらいすると、作業完了のメールが来ました。同じ場所に行き、今度はピックアップ用のボックスを、QRコードをスキャンして開き、自分の靴を受け取ります。


いい感じに補修されたシューズ。つま先部分とランド部分が直っています。
ちゃんとグリップが戻った感じがあった
戻ってきたシューズは、まずジムで履いてみました。一番良かったのは、足に馴染んだシューズのまま、グリップが戻ったことです。新しいシューズを買うと、最初は少し硬かったり、足に馴染むまで時間がかかったりします。特にクライミングシューズは、普段の靴とは違うので、慣れるまで少し違和感があります。
でも、リソールした靴は、アッパー部分はすでに自分の足に馴染んでいるので、履き慣れたシューズの感覚のまま、グリップだけ戻る感じです。リソールには「新しい靴を慣らす」のではなく、「慣れている靴がもう一度使いやすくなる」というメリットがあります。
MokaのSkwamaもリソールしてみた
MokaのSkwamaもリソールに出しました。Mokaは以前、補修したシューズで普通にスクールに行っていました。
練習用として使うには、それで十分な時期もありました。でも最近は、少しずつグリップにこだわるようになってきました。
「この靴の方が乗れる」「これはちょっと滑る」そんなことを言うようになりました。登れる課題が増えてくると、足置きの感覚も大事になってくるのだと思います。そうなると、補修したシューズを練習用として使うだけでは、少し物足りなくなってきます。


もちろん、子どもはサイズアウトもありますので、リソールできるのも1回がせいぜいかもしれませんが、まだサイズ的に履ける。本人も気に入っている。ソールだけが傷んでいる。そういうシューズなら、リソールはかなり良い選択肢だと感じました。
費用と日数を考えると、気に入った靴なら十分あり
今回、V12 Resoleでは持ち込みで65ドル、仕上がりは3〜4日くらいでした。新品を買うよりは安いです。しかし、どんなシューズでも毎回リソールに出す、という感じではないと思います。
最近、Mokaのシューズへの要求も高くなってきたので、新品だと結構なお値段のものを買う必要が出てきました。気に入っている。足に馴染んでいる。そしてまだアッパーは使える場合、リソールは良い選択肢でしょう。
逆に、サイズが合わなくなっているシューズや、全体的にかなり傷んでいるシューズなら、新しく買った方がいいかもしれません。自分で補修する。リソールに出す。新しいシューズを買う。この3つを、靴の状態によって分けて考えるのがよさそうです。
今後は、まずはリソールしてみたい
V12 Resoleに出してみて、わが家の考え方は少し変わりました。今までは、つま先が削れてきたら、自分で補修してできるだけ長く使う感覚でした。それでも、練習用としては十分使えました。Mokaも補修したシューズでスクールに行っていました。
でも、リソールを試してみると、やっぱり良さがあります。履き慣れた靴のまま、グリップが戻る。丸くなったつま先が戻る。新しいシューズのような硬さではなく、馴染んだ履き心地のまま使える。



私も、KuboとV6をリソールに出し、主に外岩用として使っています


アッパー部分が擦り切れたり、ベルクロがゆるくなったりすると買い替えかと思いますが、まずは1~2回はリソールというのが良いかもしれません。
まとめ:リソールは、履き慣れた靴をもう一度使いやすくする選択肢だった
クライミングシューズをV12 Resoleに出してみて、リソールの良さがよく分かりました。
自分で補修するのは、練習用としてもう少し使うための応急処置でした。一方でリソールは、履き慣れたシューズのグリップやつま先の感覚を、もう一度戻すための選択肢だと感じました。
今回は、MatthewのTENAYA ARAI ST-U、MokaのSkwama、そして私のKuboとV6もリソールに出しました。持ち込みで65ドル、仕上がりは3〜4日くらい。注文も受け取りも思っていたよりシンプルでした。
戻ってきたシューズは、足に馴染んだ感覚はそのままなのに、つま先とグリップがしっかり戻っていました。新品を買うほどではないけれど、気に入っている靴をもう一度気持ちよく使いたい。そんなときに、リソールはかなり良い選択肢だと思います。
家族でクライミングをしていると、シューズ代もそれなりにかかります。すぐに買い替えるだけではなく、自分で補修する、リソールに出す、新しいシューズを買う。この3つを、靴の状態に合わせて使い分けるのがよさそうです。


