わが家の外岩ロープ体験は、これが「まったくの最初」というわけではありません。ミシガン時代にGrand LedgeやカナダのRattlesnake Pointで外岩トップロープを経験し、2025年にサンノゼへ引っ越してきました。しかし、これまでは経験者の後ろについていき、張ってもらったロープを登る「お任せスタイル」。

「いずれは人に頼らず、自分たち家族だけで外岩に来てトップロープを安全に張れるようになりたい」そう強く願っていたものの、終了点(アンカー)の構築や現場での判断には、確固たる自身が必要で、どうしても大きな壁を感じていました。
トップロープとは何か?
ロープクライミングの基礎になるのが、トップロープです。トップロープとは、あらかじめルートの頂上に設置されたロープを使って登るロープクライミングです。登る人はハーネスをつけ、下にはビレイヤーと呼ばれる人がいて、登る人に合わせてロープを操作します。
リードクライミングのように自分でロープをかけながら登るのではなく、まずはロープに守られた状態で、高い壁を登る感覚や、ビレイヤーとのやり取りを覚えていきます。
壁はボルダリングより高く、上に行くほど床が遠くなります。登り終わった後は、ロープに体重を預けてビレイヤーに降ろしてもらいます。

ジムで知り合った友達に外岩ロープクライミングの基本を教わることに
ホームジムであるMovement Sunnyvaleで、娘のMokaがいつの間にか同い年で、同じくらいのグレードを登る女の子と知り合いになりました。

そしてそのママさんは、なんと外岩ボルダーでV8を登る超実力派のクライマー。そこで今回、その方に思い切って「次回からは自分たち家族だけで登りに来られるようになりたいので、現場での終了点の作り方を教えてくれませんか?」とお願いして実現したのが、2025年11月、ベイエリアが誇る外岩のメッカ「Castle Rock State Park(キャッスルロック州立公園)」でのトップロープでした。
クライミングについて:外岩でのロープクライミング、終了点構築、ビレイ技術は重大な事故や命に直結します。必ず事前に信頼できるクライミングジム、ガイド、有資格者による実践講習を受講し、正しい技術を身につけた上で挑戦してください。また、落石に備え、ヘルメットの着用を推奨します。
岩場のルールと自然保護:岩場では、ロープクライミングが許可されているエリアや、その他ルールが細かく定められています。公式サイトおよび入手可能な関連情報を事前に確認の上、ルールに沿って楽しくクライミングしましょう。
Hiro: ヒロミシガンにいた頃は、11月なんてもう雪がちらつき始めて寒風吹きすさぶ季節。外岩なんて完全にオフシーズンだったよね。



そうそう!ミシガンなら11月はもう「ジムにこもりきり」の時期。でもカリフォルニアに来てみると、夏場に気になる嫌な虫もすっかり落ち着いて、温度も快適。外岩を登るにはベストシーズンだね。
今回の目的地はキャッスルロック州立公園にあるIndian Rock
サンノゼの街から曲がりくねった山道を走り、キャッスルロック州立公園にある、Indian Rockへと向かいました。
駐車場で友達家族と合流し、ギアとクラッシュパッドを背負って、トレイルへと歩き出します。11月のキャッスルロック州立公園は、木々の間から差し込む木漏れ日が本当に心地よく、歩いているだけで深呼吸したくなるような清々しさです。
駐車場から5分も歩けば、すぐに目的の岩場、Indian Rockに到着します。夏場のように虫を払いながら歩くストレスも一切なく、ハイキングとしても最高のアプローチ。
タフォニ(砂岩の穴やポケット)が随所にあるBlowing Bubbles
はじめのルートは、Blowing Bubblesという5.10aのルートに決定。岩場に到着し、いよいよ今回のメインテーマである「終了点(アンカー)の構築」へ。トップロープをセットするため、岩の頂上にあるテラスへと歩いて回り込みます。
今回はすべてママさんにお任せして構築してもらいつつ、「次回は自分たちだけで安全に作れるようになること」をゴールに、現場でひとつひとつ手順をレクチャーしてもらいました。



本や動画でシステムの理屈(荷重分散やバックアップ、結び目など)はミシガンでTさんに教えてもらったし、家で練習もしたけど、やっぱり緊張した。



だからこそ、ママさんが「まず安全な位置で確実にセルフビレイを取る」という基本中の基本から見せてくれたのが、ものすごく勉強になったよ。



アンカーからのスリングの取り方、荷重のかかり方、カラビナのゲートの向き、岩の角でロープが擦れないための配慮……すべてを目の前で実演しながら教えてもらえてありがたかった。


タフォニ(砂岩の穴やポケット)が随所にあり、見た目のユニークさとともに「どこに指を入れ、どう足を置くか」の判断が試される好ルート。自然の造形をダイレクトに攻略する面白さがありました。
外岩ロープのリアルな怖さと、子どもたちの逞しさ
ハーネスにエイトノットでロープを結び、ビレイヤー(確保者)とお互いにハーネス、バックル、結び目、ビレイ器を入念にチェック。「Climb on」「Belay on」の掛け声で登り始めます。何度経験しても、外岩のロープクライミングにはジムとは違うリアルな緊張感があります。
- 色テープのない世界:ジムのように「この色のホールドだけを持つ」という親切な目印はありません。岩の窪みやシワを自分で見極める必要があります。
- フリクションを信じる勇気:キャッスルロックの砂岩はざらざらとしてフリクションが効きますが、場所によっては砂粒がポロポロと剥がれる感触もあります。「この足に体重を預けて本当に滑らないか?」と疑いながらも、シューズのラバーを信じて立ち上がる瞬間は心拍数が跳ね上がります。
- 11月の澄んだ空気と高度感:視界が澄み渡っている分、地上8メートル、10メートルと上がったときの高度感は強烈で、トップロープで吊られていると分かっていても足が震えます。
同い年のお友達とMokaは、お互いに「ナイス!」「そこに足あるよ!」と声を掛け合いながら、小さな手足をタフォニのポケットに器用に入れ、リズムよく登っていきます。


陽あたり良好で気持ちが良いSouth Face
続いて、日当たりが良く、11月の柔らかな日差しを浴びながら気持ちよく登れるSouth Faceにトライ。Matthewとママさんが先行でクライミング。


子どもたちは持参したマットでボルダーを登り、楽しそうな声が森に響きます。
トップロープのアンカーの構築を学ぶことができた
今回の外岩では、ジムで知り合ったママさんクライマーから、アンカーボルトがある外岩でのトップロープの設置方法を学ぶことができました。次回からは、自分たちで設置して、Matthewと二人でクライミングできることを目標としたいと思います。安全に関わることなので、今回は先輩クライマーに丁寧に教えてもらい、なおかつ自分たちでも実践しながら学ぶことができたというのが大きな収穫でした。
少しハイキングすると奇岩群がみられる
少し遠回りして、Castle Rockまでハイキングしてみると、タフォニを身近に見られます。このCastle Rockもいくつかルートがあるので、チャレンジしがいがありそうでした。


まとめ
今回は、知り合いのママさんクライマーに、終了点の構築方法、安全の確保方法などを教えてもらいながら、外岩を登ることができました。ミシガンでは寒さで登れなくなる11月も、ベイエリアなら快適そのもの。虫も少なく、澄んだ空気と暖かな日差しの中で集中してクライミングを楽しめました。
「自立」を目指すなら、現場での経験者レッスンが一番の近道:本や動画でいくら予習しても、現場の樹木や岩角への対応は教科書通りにはいきません。経験豊富なママさんに構築をお任せしつつ、その場で「なぜそうするのか」を教えてもらった経験は、わが家にとって最高の財産になりました。
今回教えてもらったことを元に、次回は、私達家族だけでチャレンジしてみようと思います。


