スペインのジムでボルダリングと、初めてのロープクライミング(オートビレイ)を体験

わが家にとってクライミングの始まりは、ボルダリングでした。娘のMokaが日本でボルダリングを始め、それに引っ張られるように、私もジムに通うようになりました。最初は付き添いのつもりだったのに、気づけば自分もシューズを履いて登っている。そんな感じで、ボルダリングを始めて1年ほど経ったころ。仕事でスペインに1か月ほど行くことになりました。

Hiro: ヒロ

実は、初めてロープで登ったのは、スペインのオートビレイなんだよね。しかも一人で行って、英語もあんまり通じなくて苦労した。

Matthew: マシュ

クライミングシューズを持って長期出張に行ったんだけどちゃんと仕事したのかな?

この記事では、スペイン出張中に一人で行ったバルセロナ近くの、Vilanova i la Geltrú(ビラノバ・イ・ラ・ジェルトル)という美しい港町のIndoor-wallというジムで、初めてオートビレイを体験したときのことを書いてみます。ボルダーも登ったし、ジムは広くて、バーもあって、常連さんにも助けてもらいました。怖かったけれど、めちゃくちゃ楽しかった。そんな海外ジム体験の記録です。

はじめに:オートビレイやハーネスの使い方、安全確認は、必ずジムの講習・スタッフの指示・施設の公式ルールに従ってください。この記事は個人の体験記であり、技術的な手順を説明するものではありません。

目次

面白そうだし、とりあえず行ってみる

休みの日にネットで検索して、クライミングに行ってみることにしました。正直、そこまで心配していませんでした。スペインとはいえ、クライミングジムなら英語は少し通じるだろう。最悪、スマホとWi-FiがあればGoogle翻訳もある。そんな感じで、一人でジムに向かいました。

ただ、受付の人がスペイン語で説明してくれる内容は全く分かりません。こちらが使えるスペイン語も、覚えたての単語だけです。「オラ」(こんにちは)・「ハポネス」(日本人)・「グラシアス」(ありがとう)・「チャオ」(バイバイ)、あとは身振り手振りとGoogle翻訳で乗り切ろうと四苦八苦していると、受付の人が近くにいた常連さんに声をかけ、その常連さんが助けてくれました。受付の人のスペイン語を、英語に訳してくれたのです。waiver、つまり免責同意書ももちろんスペイン語。丁寧に説明してくれて、サインできたので助かりました。

まぁGoogle翻訳でなんとかなるとは思っていたものの、その人のお陰でスムーズに受付ができました。英語は、スペインの都市部なら通じるものの、ちょっと郊外に行くと、思ったよりも通じません。

広くて、バーもあるジム

中に入って、まず感じたのは広さでした。日本で通っていたボルダリングジムとは、少し空間の感じが違いました。

ボルダーエリアがある。高いロープ壁もある。オートビレイもある。そして、バースペースまである。ジムの中で、普通にビールを飲んでいる人もいました。日本でボルダリングジムに通っていた感覚からすると、これはけっこう驚きでした。

Hiro: ヒロ

クライミングジムでビール飲むんだ、って思った。

Matthew: マシュ

日本のジムの感覚だと、ちょっとびっくりするね。ミシガンのPlanet Rockは淹れたてのコーヒーが飲めるけど。。。

Hiro: ヒロ

結局、自分も登った後に飲むことになるんだけどね。

でもその時は、ジムの中にバーがあること自体が新鮮でした。クライミングが、ただの運動というより、人が集まって過ごす時間の中にあるように見えました。

スペインに滞在している間、外の岩場で登っている人を何人か見かけることもありました。自分が外岩で登ったわけではありません。でも、クライミングがジムの中だけではなく、街や自然の近くにも普通にある感じがして、それも印象に残っています。

まずはボルダーを登った

ジムにはボルダーエリアもあったので、まずはそこで登りました。日本で1年ほどボルダリングをやっていたので、ボルダーならなんとなく分かります。言葉が分からなくても、壁とホールドがあれば、とりあえず登れる。

日本に比べて広大なスペースのボルダーエリア。屋内だけでなく、屋外にも課題があります。グレード感は日本と違うところもありましたが、基本は日本と変わりません。

常連さんに助けてもらってオートビレイへ

いくつかボルダーを登っているうちに、ロープ壁を発見。娘のMokaは日本のスクールで何度かトップロープクライミングをやっていたのを見て、私も、せっかくここまで来たのだからやってみたいと思いました。そこで初めて挑戦したのが、オートビレイでした。

オートビレイの説明やハーネスの説明は、さっき助けてくれた常連さんが英語で手伝ってくれました。受付の人がスペイン語で話す。常連さんが英語にしてくれる。それを私がなんとか理解する。そんな流れでした。

ボルダリングを1年やっていたとはいえ、ハーネスをつけて高い壁を登るのは初めてです。ボルダーとは、まったく違う緊張感がありました。でも、登ること自体は楽しかったです。高い壁を見上げる。オートビレイにつながる。ホールドをつかんで、足を置いて、上に進んでいく。ボルダーとは違う高さがあって、少し怖い。でも、その怖さも含めて楽しい。

ルート自体はそれほど難しいものではなく、初心者でもボルダリング経験があれば、スラスラと登れてしまうんですよね。でも、問題は、登ったあとでした。

“Jump!” と言われても飛べない

上まで登って、下を見ました。高い。ハーネスはついている。オートビレイにもつながっている。説明も受けた。頭では分かっています。でも、体が納得していません。そこで、下にいる常連さんと店員さんに聞きました。

Hiro: ヒロ

What should I do?(どうしたらいい?)

返ってきた答えは、ものすごくシンプルでした。

Jump! (飛べ!)

いや、ジャンプって。もう一度聞きます。

Hiro: ヒロ

Are you sure?(マジで?)

Yes! Jump!(そうだ、飛べ)

たぶん、“Are you sure?”って何度も聞いたと思います。下では、店員さんと常連さんが大爆笑していました。こっちは必死です。でも、向こうから見れば、オートビレイにつながった大人が、壁の上で何度も「本当に大丈夫?」と確認している。それはまあ、笑うと思います。

最後は覚悟を決めて、手を離しました。一瞬、体がふっと落ちる。でもすぐにオートビレイが効いて、ゆっくり下がっていく。降りてみたら、怖かったけれど、自分でもかなり笑いました。

Hiro: ヒロ

あれは本当に怖かった。説明されても、体が信じてないんだよね。

Matthew: マシュ

頭では分かってるけど、手を離すのは別問題だよね。

Hiro: ヒロ

そう。そんな簡単に “Jump!” できない。でも、一回経験してしまうと、二回目以降はコツが分かって、怖くないし、むしろ楽しかった。

大爆笑のあとに飲んだ con limón

クタクタになるまで登り終わったあと、助けてくれた常連さんにビールを奢りました。店員さんがおすすめしてくれた、レモン入りのビールでした。スペイン語では “con limón”(コン・リモン) というらしいです。

初めてのオートビレイ。英語が通じない受付。助けてくれた常連さん。壁の上で何度も “Are you sure?” と聞く自分。下で大笑いする店員さんと常連さん。そして最後に、ジムのバーで飲んだレモン入りのビール。日本でボルダリングジムに通っていたころには、まったく想像していなかったクライミングの時間でした。

それでも、ジムの中で登って、疲れて、笑って、ビールを飲むという流れは、自分にとってかなり新鮮でした。クライミングジムって、こういう場所でもあるんだ。そう感じたのを覚えています。

翌週の休日にもしっかり通って、当日落とせなかった6b+に再トライして、完登!めちゃくちゃ嬉しかった。これが原体験で、ロープクライミングやりたいと思うようになりました。

怖かった。でも、めちゃくちゃ楽しかった

このスペインのジムで、私は初めてオートビレイを体験しました。翌週も通い、その時登れなかったルートをなんとか攻略できました。ボルダリングは、自分で登って、自分で落ちる感覚があります。一方で、オートビレイは、最後にロープへ体を預ける必要があります。怖かったけれど、それ以上に楽しかった。

広いジム。ボルダーエリア。高いロープ壁。英語に訳してくれた常連さん。“Jump!” の声。大爆笑。そして、登ったあとに飲んだ con limón。クライミングは、強くなるためだけのものではない。

知らない場所に行って、少し緊張して、人に助けてもらって、怖がりながら登って、最後に笑って友達もできる。趣味のクライミングって、それくらいでいいのかもしれません。

まとめ

スペイン出張中に訪れた Indoorwall Vilanova i la Geltrú で、初めてロープクライミングをオートビレイで体験しました。私にとっては「初めてのロープクライミング」と「冒険」でした。冒険後に新しい友人と飲むレモン風味のビールは最高でした。40代から始めた自分には、そういうクライミングの広がり方も、すごく楽しかったです。

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