キャッスルロックで「自分たちだけで外岩トップロープをセットして登る」という自立への第一歩を踏み出したわが家。 人に頼らず安全を管理できた経験は大きな自信になり、「もっとサンノゼ周辺の新しい岩場も開拓してみたい!」と一気に世界が広がりました。そうして迎えた2026年1月。今回は『メインは家族で山の上の湖までハイキング、もし良さそうな岩があればクライミングもしてみよう』という気楽なスタンスで出かけてみました。
私たちが次に向かったのは、サンノゼから車で南へ約2時間ほどの場所にある「Pinnacles National Park(ピナクルズ国立公園)」です。 ハイキングのついでとは思えないアクセスの良さと、国立公園ならではのルール、そしてアメリカのクライミングコミュニティの日常的な温かさに触れた一日の記録をお届けします
Hiro: ヒロキャッスルロックでの経験も活かして、サンノゼから2時間で行けるピナクルズに行ってみよう。



今日はあくまで「家族で湖までハイキング」がメインでしょ?



もちろん。ピナクルズの雄大な景色を楽しんで、湖まで歩くのが主目的だよ。でも、登山道のすぐ脇に登れるポイントがいっぱいあるみたいだから、念のためいつものロープやギア一式はトランクに積んでいくよ。
湖(貯水池)を目指すハイキング:家族で歩く雄大なトレイル
今回の主な目的は、あくまで「ハイキング」です(笑)。というわけで、まずはBear Gulch Reservoirという湖をめざしてハイキングすることにしました。ピナクルズ国定公園は、東側と西側に入口があります。今回は、きれいな湖(貯水池)と洞窟が見るルートへ簡単にアクセスするため、東側入口を選びました。
駐車場にクルマを止めて、5km程度の軽いハイキングです。もともと山歩きが好きだった私たちは、まずは山の上の美しい貯水池(湖)を目指して家族全員でトレイルを歩き出しました。
しばらく歩くと、太古の火山の噴火によって形成された巨大な岩峰群が目に飛び込んできました。


1月という真冬の時期にもかかわらず日差しは暖かく、虫もいないため、ハイキングにはまさにベストな気候です。岩のトンネルをくぐったり、雄大な景色を見渡したりと、自然の造形を大満喫。


目的地の貯水湖まで1時間程かけてゆっくりハイクしました。


普段はクライミングしない息子のAki も、娘のMoka と一緒にトレイルの途中でボルダーごっこ(面白そうな岩を見つけたら2手ほど触ってみる)をしたりと、まったりと楽しみました。


下りの道すがら、本格的なクライミング装備を背負いながら歩いてくる人たちとすれ違いました。その姿を見た瞬間、私たちのクライマー魂(?)にも火がつき、「せっかくだから、私たちも少しやってみようか!」と急遽クライミングモードに。一旦、駐車場まで車に積んだギアを取りに戻り、我々もハーネスとロープ、クライミングシューズと終了点構築のためのスリングとカラビナを持ち、またハイキングコースに戻っていきました。
Tourist Trap Rock Climbingにトライ
入口に一番近いTourist Trap Rock Climbingという岩に挑んでみることにしました。ピナクルズでは、自然保護のために登山道から無闇に外れることが禁止されていますが、クライマーのアクセスポイントには「ロック付きのカラビナ」のマークが描かれた木の標識が立てられています。 メインの登山道から少し外れて、このカラビナのマークを辿って歩いていくだけで、藪漕ぎなどをすることなく、あっという間にトップロープのアンカーポイントにたどり着くことができました。



こんなことがあろうかと、事前にMountain Projectで調べておきました



……
1月から7月にかけてはハヤブサなどの猛禽類の営巣を保護するため(Raptor Advisories)、一部の岩場がクローズになる事があるので国立公園局(NPS)の公式サイトで事前に確認をしてから行きましょう。
Nipple Jam(途中まで)
最初のトライは、Tourist Trap Rock Climbingにある、Nipple Jamのトポを見ると、途中にダブルアンカーの表記があったので、そこをに終了点を構築し、私たちが持っていった40mのロープで届く範囲でのクライミングをすることに。



国立公園の公式サイトによると、ここの岩は「火山角礫岩(Volcanic breccia)」で、花崗岩などに比べると脆い部分があるらしい。ホールドに体重をかける前に指先で軽く叩いてみて、中が空洞のような音がしたら使わないように気をつけよう



キャッスルロックの砂岩ともまた全然違う岩質ね!ゴツゴツしてフリクションは効くけど、確かにポロっといきそうな場所もあるから慎重にいかないと






家族全員、完登しました!
Wee Little One
次に見つけたのは Wee Little One というルートでした。 トップロープでは、目的の岩の終了点まで、安全に登れる別ルートが存在していなければならないという制約があります。しかし、ここは本来リードクライミング用のルート。まだリードを習得していない私たちにとっては、自分たちで終了点を構築するのが難しい状況でした。
「ここは無理かな……」と見上げていると、ちょうど先行していた別のパーティーがリードで登り終え、ルートをクリーンアップ(片付け)しているところでした。 すると、そのリードをしていたクライマーが私たちに気づき、声をかけてくれました。
リードの技術がないので終了点まで登るルートを探していることを伝えると、「よかったら、トップロープを上まで持って上がって、セットしてあげようか?」 と声をかけてくれたのです。お言葉に甘えてお願いすると、あっという間に安全なトップロープ環境を作ってくれました。


その後もしばらく、私やMokaが登るのを応援してくれました。本当に感謝です。このオープンで温かい空気感こそが、私たちがアメリカでクライミングを心地よく続けられる大きな理由のひとつです。なお、トップロープのクリーンアップの際には、懸垂下降の技術が必要なってくるので、身につけておいて良かったです。
クライミングについて:外岩でのロープクライミング、終了点構築、ビレイ技術は重大な事故や命に直結します。必ず事前に信頼できるクライミングジム、ガイド、有資格者による実践講習を受講し、正しい技術を身につけた上で挑戦してください。また、落石に備え、ヘルメットの着用を推奨します。
岩場のルールと自然保護:岩場では、ロープクライミングが許可されているエリアや、その他ルールが細かく定められています。公式サイトおよび入手可能な関連情報を事前に確認の上、ルールに沿って楽しくクライミングしましょう。
まとめ
今回は、ピナクルズ国定公園で、湖までのハイキングとクライミングを家族で楽しみました。
サンノゼからもアクセスが良好な国定公園で、1月でも暖かく、冬のカリフォルニア外岩の快適さを実感しました。湖のハイキングを楽しんだ後にサクッと岩に触れるという、最高のアウトドア体験が可能です。
また、ローカルルールとクライマーたちの温かさ 国立公園のルールを遵守しながら岩場を共有し、見ず知らずの初心者のためにロープを張ってくれる。このオープンなコミュニティの空気が、外岩の魅力を何倍にもしてくれました。
一方、楽しく登ることはできましたが、やはりリードクライミング技術の必要性を痛感しました。この経験が、リード習得の強いモチベーションになり、夫婦でリードの練習を始めことになります。




